社長への直訴状

前回
の続きです)

課長の怒鳴り声,公開叱責を過去2年間に遡り24件もリストアップした。

このリストは,自分が覚えている内容や同僚への聞き取りが主な情報源であったが,SNSも大活躍した。

たとえば,同じ課の川口さんのツイッターアカウント。
過去にさかのぼって読み進むとこんなツイートがあった。

「おお,野獣がまた雄叫びの声を上げ始めた。
今度の標的は,Yみたいだ。
Y,またへまでもやらかしたのか?」

ツイートには当然 2012年3月26日13:54 など具体的な日時が記録されている。
だから,次のようにリスト表に加えた。

事例13
日時:2012年3月26日 13:54から4分間
内容:大石課長が突然,山口氏に対し「てめーな,このメールの内容はなんだ!」と,取引先のナルヤマ商事に送ったメールに関する公開叱責を始める。
「勝手に,これは我が社の製品の不具合とか書くな!こんなの,おめーの判断で不具合とかするもんじゃねーだろ!あ?」と大声で怒鳴りつける。
約4分間に渡り怒鳴り声が課内に響き渡り,その間,全課員は凍り付いた。
山口氏は相当なショックを受けた様子で,退勤まで無口にうつむきながら作業をしていた。

このように日時や場所を数字等も入れて具体的に書くようにした。
そうして,24件のリストの上に,社長への直訴状をしたためた。

「宮田社長
お疲れ様です。
お忙しいところ,このように直接メールをお出しして,申し訳ありません。
実は,大石課長の言動につきまして,つらい思いをしておりまして,そのご相談の内容になります。
…」


このような書き出しで,課長の怒鳴り声について,いつ自分が皆の前で怒鳴りつけられるのか怖くてたまらないこと,怒鳴り声を聞くたびに心臓が止まったような苦しみを感じて業務効率にも少なからず影響を与えること,などを訴えた。

そして,最後にさりげなくこう書いた。

「最後に,私の知る限りの大石課長の言動をまとめさせて頂きましたので,添付させて頂きます。」

そこにWordの文書で約4ページに渡る,24件の大石課長のパワハラ事例をまとめたファイルを添付したのである。

そんなに長い内容のメールではなかったが,書いては書き直し,しばらく時間をおいてはまた読み直し,こうやって慎重に作成した。
感情表現は極力抑えて,あくまでも大石課長の怒鳴り声が業務に負の影響を与えることについて,改善をお願いしたいという,ビジネス的な文書になることを心がけた。

メールの送信ボタンを押す時には,指先が震えているのを自分でも感じていた。

「このメールを送ったら,社長はどんな反応を示すだろう。
真剣に受け止めてくれるだろうか,それとも無視されたりするんだろうか。」

「こんなメールを送ったら,もしかして私は要注意人物としてマークされるかもしれない。
でも,出社拒否して,降格までさせられたんだから,今更,別にどうなってもいいか。」

こんな思いがぐるぐると頭の中を回り続けた。
そして,退勤直前になってメールの送信ボタンを押すと,まるで誰かに声をかけられるのを恐れるかのように,早々とオフィスを後にした。

(続く)

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コメント

  1. あなたのブログの反応率を上げるコピーライター@鈴木ゆうたろう より:

    1. 楽しいブログをありがとうございます!
    いきなりすみません!初めてコメントします!色んな人のブログをまわっていたらたどり着きました!お互いに更新がんばりましょう!
    http://ameblo.jp/copywrite-suzuki/

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