同僚から聞いた話

私は、1時間半に及ぶ公開叱責を受けた次の日、いつものように同僚達とランチに出かけた。
いつもと同じようにたわいのない話で盛り上がっていはいた。

だが、私はいつもより遥かに重たい気分でいた。
だから、彼らも、私が何かを発言しようとするのを、待っているかのようであった。

「あの、えーと…」

私が口を開いた途端、彼らはしーんと静まり返った。

「えー、鈴木さん(上司の名前)のことなんだけど…
やはり、けっこう、その…強い言い方することって、あるんですかね…

私は婉曲的な表現で、ようやく上司の昨日の怒り声について、尋ねることができた。
それに対して、同僚の中で会社に5年ほど在籍している最年長格の田中さんが意外に実直に答えてくれた。

え、鈴木さんは、けっこうそういうことやるタイプですよ。

彼は、上司がそのような公開叱責やキレて怒鳴り声を張り上げるようなことを、昔から繰り返していることを話してくれた。
部下への指示が曖昧で分かりにくいにも関わらず、伝えたことをやっていないと、勝手に怒って叱りつけることも多いとのことだった。

そして、こうまで言った。

「この会社にいる人は、みんな、あの人にそういう目に遭った経験を持っていると思いますよ。」

ああ、なんてことだ。
こんな怒鳴り声を、皆、経験していたなんて。

この会社に入ってから、この上司が何となくみんなから浮いている雰囲気を感じていた。
上司はいつも不在で、部下と会話を交わしているシーンは、社内でほとんど見かけなかった。

今、その理由が分かったような気がした。
私は、同僚達と距離が近くなったような気がした。

そして、その上司を、はっきりと「パワハラ上司」と認識するようにもなった。
こいつは、昔からこんなことを繰り返していた常習犯だったんだと。

私はランチから戻ると、また、上司からせかされている課題の取り組みを始めた。
難しい専門用語と格闘しながら、怒鳴られるのは怖いという一心で仕事を進めた。

だが、どんなに急ごうとしても、このような難しい作業を短時間でこなすのには限界があった。
集中力が切れ、眠気が襲ってくることもあった。

それでも、毎晩書かなければいけない日報に、少しでもいい進捗を載せられるようにと、必死に頑張り続けた。

(続く)

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コメント

  1. オレンジ より:

    1. 無題
    その上司、私のパワハラ上司とそっくりです。
    人前で怒鳴るのと、開発室にいつも居なく、部下と会話していることが無い所が…
    こういうタイプ全国にいるんでしょうね…怒りを感じます!
    http://ameblo.jp/orangeorange-orange/

  2. パワハラに負けない より:

    2. Re:無題
    >オレンジさん
    似たような上司だったんですね。共通点が多いですね。能力だけでのし上がって、部下とのコミュニケーションが下手な人が、パワハラをしやすいのかもしれませんね。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  3. きっと明日は晴れ より:

    3. 怒鳴り声をあげる人
    私が思うすぐ怒鳴る人の印象は
    論理的に分かりやすい表現で
    相手に説明し、円滑に行動を進めていく事が
    苦手な人なんだと思います。

    感情を制御できないから
    怒鳴って強制させる行為しかできない。

    こういった言動の人は
    例えばピンチに陥った時誰も助けず
    とても厳しい状況になるのだろう
    と考えたりします。
    http://ameblo.jp/sasaeaitai365/

  4. パワハラに負けない より:

    4. Re:怒鳴り声をあげる人
    >きっと明日は晴れさん
    おっしゃる通り、能力はあっても、人を分かりやすい表現で指導できないという感じですよね。
    独善的な指導しかできない。
    それですぐイラついてキレる。
    この上司、社内では完全に浮いている感じでした。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  5. 心配ママ より:

    5. 無題
    どこにでもいるのはわかってるけれど、自分のそばにいてほしくないですよね。。。

    家族がそのようなパワハラをうけていると思うと、本当にこころが痛いです。
    会社の中だけではなく、家族全体にも及ぶんですよね。。。

  6. パワハラに負けない より:

    6. Re:無題
    >心配ママさん
    もしかして、お子さんがパワハラを受けておられるのでしょうか。
    パワハラは、人を人間不信のどん底に陥れます。
    家族に話しても、あなたが悪いんじゃない?と言われて激しく傷付くことがあります。
    ご家族でそのようなパワハラに苦しんでいる方がいるなら、ぜひ、100%の味方になって、話を聞いてあげてください。
    また、労働組合、労働局、弁護士等、会社と戦うための環境を用意してあげてください。
    逃げてばかりいると、泣き寝入りして、自分を追い詰め過ぎて、病気になってしまうことがあります。
    ぜひ、理解者と仲間を組んで、パワハラと立ち向かってほしいです。
    自己の尊厳を守るためにも。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

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