お客様の前での上司の強烈な否定

台湾への出張を来週金曜日に控え、上司による実績追求は日に日にエスカレートしていった。
1日毎にお客様との打ち合わせがあり、直行や直帰も多くなっていた。

お客様の前では、上司は容赦なく私を呼び捨てにして、完全に独裁者的な発言を続けた。

「おい、安達、お前、これやってきたものプレゼンしてみろ!」

私にお前、お前と連呼して命令をした。
しかし、お客様にはぺこぺこ頭を下げて、やたらと低姿勢だった。

そんな上司の態度を見て、お客様も、私に対してはなんとくぞんざいな態度で接しているように感じた。
上司は、お客様の前で私に対して能力面ややる気の面に関するような否定をすることも多かった。

「おい、安達、ちゃんと聞いてんのか?お前?
ここは、ちゃんとメモっておくべきところだろ?

お前、分かってねえな。
しっかりしろよ!


こういう時は、心の中にわき上がってくる憤怒の思いを、唇を噛み締めながら、ぐっとこらえるしかなかった。
しかし、それはすごい強いストレスであった。

お客様もまた、非常に要求度が高かった。
一流企業病とも言うべきだろうか、とにかくうちのような中小企業に対しては、随分と高圧的だった。

「来週、出張に行くと聞いているけど、仕事は遅れないってことで、いいんだよね?
毎日、Skypeで会議をしたいんだけどいいかな?

こっちさ、この件さ、すごく急いでいるからさ、週末とかも休まれたら困るんだよね。
土日も含めて、毎日、進捗をメールで報告してくれる?」

こんな調子で平気で激しい労働を要求してくるのである。
そして、私の上司は、それをあまり調整することもせずに、分かった分かったとほとんど承諾してしまう有様だった。

当然、そのしわ寄せは私にやってくるのだが、私は当然何一つ、口答えは許されない立場だった。
入社してまだ2か月にもなっておらず、試用期間中である私に求められているのは、ただひたすら従順、服従のみだった。

毎日、深夜まで続く仕事で、私は完全に心と体にひどい疲労がたまっていくのを感じていた。
電車の中でも、立ちながら居眠りということがよくあったし、朝、起きるのも本当につらかった。

いくらお金のためとはいえ、こんな生活を続ける自分が惨めに思えることが多かった。
仕事があるだけいいじゃない、と言われたとしても、当時の私にはそんな言葉はまったく響いてこなかっただろう。

そうやって、必死の思いで、台湾出張に向けて仕事をこなしていた。
しかし、私の社会人初となる大事件は、まさしく出張するその日の朝になって起きた。

そう、まさしくそれは、出張のドタキャン事件であった。

(続く)

コメント

  1. miyabi27 より:

    1. 異国の地で
    そんなパワハラ上司と共に過ごさなけれはわいけないと思うと、体がもう言うこと聞かなくても仕方ないかなって思います(T_T)。
    http://ameblo.jp/miyabi27xmas/

  2. パワハラに負けない より:

    2. Re:異国の地で
    >miyabi27さん
    コメントありがとうございます。上司と相部屋で一週間過ごすのはつらいです。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  3. 通りすがりです。 より:

    3. うちも酷いです。
    うちも凄いですよ。3部屋離れた先から、怒鳴り声で呼び出されるなんてしょっちゅうでした。当然3部屋中の人から怒鳴られる姿を見られます。
    毎日毎日30分程度延々とわけの分からない罵倒を受けて、一時期怒鳴る上司の目が見れなくなりました。
    私は新卒採用で社会人経験が無いため、休みもあり残業代もでていたので、ブラック企業じゃないし、耐えられると思って頑張りました。新卒でしたし、責められるのは自分が至らないからだと思い、パワハラだという認識も当時はありませんでした。
    1年でこの上司は異動となり、解放されたのですが、パワハラはパワハラを生みます。それまで大人しかった先輩の一人がいきなり怒鳴る人に変貌したのです。その先輩もさらに1年後に異動となったのですが、すぐに新たなパワハラ先輩が生まれました。
    パワハラの連鎖は留まる所を知らない、恐ろしい風習だと感じます。
    うちはパワハラを受けても訴える先が無いため、皆我慢しています。上司がパワハラ肯定なため、その下の係長も波風立たないように見てみぬ振りです。人事も本社にあるため、地方の平社員の言葉など聴いてくれません。
    私は幸運な事に1年に1匹ずつ嫌な虫がいなくなっていますが、これは全くの偶然です。
    皆昇進しての異動ですので、パワハラを咎められての左遷や異動ではありません。
    全国的な天下り組織の代表法人なのですが、どんな経営をしても潰れる事はないため、内部教育は停滞し、人は育ちませんし、有り得ないようなミスが頻発しています。
    私は長期の出社拒否はしたことがありませんが、どうしても気分が優れない時は、病欠はしています。そうしないとバランスが取れずに、精神病になりそうだからです。もともと真面目な性格で、責められると自分に非があると思う性格ですし、争っても無駄なことは経験済みですから、私は無駄な事をしたくないのです。人間同士で集まっている会社である以上、人間同士のいざこざは無くそうにもなくならない、というのが持論です。新卒で入社し、何のスキルも身につかないまま、低レベルなな仕事をし続けたため、今更転職しようにも行き場もありません。
    こうしてパワハラと前面から立ち向かっている、しかも転職先もあるような方のブログは見ていてスカッとします。

  4. パワハラに負けない より:

    4. Re:うちも酷いです。
    >通りすがりです さん
    こんにちは。すごく熱のこもった真剣なコメントをくださって本当にありがとうございます。

    3部屋先から怒鳴り飛ばされるって、激しいパワハラですね。怒鳴り声って、パワハラで、やってはならないことだ、っていう風に、厚生労働省とかではっきりと基準を示してほしいですね。大の大人を怒鳴りつけることって、やってはならない人権侵害だと思うんです。お金を払ってやっているんだから、なんでも従えって、言われてもおかしいと思うんです。なぜなら、それは違法行為だから。

    パワハラを生む職場って、新たなパワハラ上司を生むんですね。怖いです。結局、会社の上部の人間がそうだから、下もそうなっているんじゃないかと思います。

    停滞した組織でパワハラというのもあるんですね。私は、成果追求が激しいタイプの組織でのパワハラをメインに経験しました。パワハラを生み出す土壌って、組織的な原因って大きいと思います。

    精神病になりそうなほどきついとのこと、本当に行き場のない苦しさであることと想像致します。休みを取って、自己防衛のための英気を養うのも大切ですね。

    転職は、少しずつ可能性を考えていったらいいと思いますよ。たとえば、スキルを身に付けて、副業でこっそりとそれ関係の仕事ととかやったりして経験を積み、それを本業の経験であるかのように面接先でアピールしたりとか、方法はいくらでも考えられると思います。この組織に一生いなければならないなんて、そんなことはないと思いますよ。自分の可能性を信じてみてください。

    パワハラに負けず、明るい人生を切り開いていく知恵と勇気と運勢が与えられますように、お祈りしています。頑張ってください!!
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  5. モカ より:

    5. 無題
    レストランの記事にもコメントさせていただきましたが、こちらも今の上司とかぶりすぎていて、思わずコメントしてしまいました。

    お客様の前での否定、とてもダメージになりますよね。。
    なに1つ口答えは許されないというのも同じです。

    日々、「指導しているのに、君には一向にひびかない」「会社のお荷物だ」などと言われ、自責の念に追われていますが、このブログを読ませていただくと、私に悪いことはあるけれども、明らかに傷つけることを目的としたようなことをされているのだなぁと感じます。

    ずっとやりたかった仕事だけに、上司に負けたくないという気持ちと、もう限界という気持ちが交互にくる毎日ですが、このような似た体験を読ませていただくと、自責の念に飲みこまれない勇気をいただける気がします!

  6. パワハラに負けない より:

    6. Re:無題
    >モカさん
    自分だけに責任を負わせて、苦しまないでくださいね。
    「会社のお荷物だ」などという発言は、明らかに業務指導の範疇を越えた人格否定の範疇に入ると思います。
    こういう上司のもとでは、死ぬほど頑張って実績を上げようと努力しても、その努力に対してさらに否定されたりして、行き場のないような気持ちになることもあるので、とても危険です。
    どうか、追い詰められないように、あるいは自分で自分を追い詰めないようにしてくださいね。
    この苦しみから脱出できる時期が来ますようにとお祈りしています。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  7. 高橋政志 より:

    7. 無題
    なるほど。

  8. 高橋政志 より:

    8. 無題
    なるほど。

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