退職理由を書き換えるブラック会社

約4時間の圧迫面談で、社長の圧力に屈して退職を申し出た私。
実はつい先日、勇気を出してその時の録音テープを聞き返してみた。
すると人事部長がこう私に促していた。
「会社都合で処理するから、自己都合で退職届を出して。」
こんな言葉があったことは、すっかり忘れていた。
だから私は自己都合と書いて出してしまったのか、と改めて理解した。
人間の記憶は実に曖昧である。
だから、録音テープだけが、第三者にも会話の内容を理解させる唯一の証拠となる。
それを改めて感じた。
私はその会社の言葉を信じて、
「一身上の都合により退職致します」
と書いて提出してしまった。
今考えると馬鹿である。
だけど、その時の状況を考えると、会社に逆らって
「退職勧奨に応じて退職致します」
なんて書いて提出できるような状況ではなかった。
たとえそう書いたとしても、退職届の受理は拒否される可能性があった。
書き直せ!と怒鳴られる可能性も考えると、怒鳴りのトラウマに陥っていた私には、恐ろしくてそんなことはとてもできなかった。
私は、退職届提出の際の最後の確認の場面も録音テープにとった。
「ここには一身上の都合と書きますが、会社都合扱いにしてくれるということでよろしかったでしょうか。」
「ああ、そうしてやる。」
社長ははっきりそう口頭で約束した。
私はその場で退職届を出し、そして受理された。
だが、最終出社日になって社長はこう言ったのである。
「お前の退職理由は自己都合だ、いいな!」
「会社都合にすると、約束したじゃないですか。」
社長は薄ら笑いを浮かべてこう言い放った。
「自己都合で出せと言われて、自己都合で書くバカがどこにいるか!

俺はそんな約束してない。
証拠があるなら見せてみろ!」
いくら抗議しても社長は退職理由を変えることはなかった。
民法上は、口頭での約束でも契約は成立する。
文書がないなら何をやっても、何を言ってもいいという話ではない。
後でハローワークに行って雇用保険(いわゆる失業手当)をもらうことになるが、10年以上まじめに雇用保険を払ってきた私は、会社都合扱いだと支給期間が240日あったはずだった。
しかし、自己都合扱いになったことで、その期間は120日に半減した。
これは、再就職を果たした時に支給される再就職手当(残っていた支給期間にもらえる手当の額の半分などがもらえる)の額を大きく減らすことになった。
計算すると、なんとトータルでは50万円近くも支給額が減っていた。
失業期間中の借金生活を考えると、これはとても大きな金額だった。
また、ハローワークへの抗議(退職理由ついての異議申立て)は通らなかった。
なぜハローワークは、会社が出した退職理由だけを信じるのか、私には理解できない。
ハローワークは、「退職理由は会社と労働者が合意の上で決められたものとの前提に基づいています」という、お役所的な回答に終始した。
会社の人間が、会社都合です、と明確に記した文書がないとダメだというのである。
録音テープには、一切、耳を傾けようともしなかった。
現状の制度では、強い立場のブラック会社は、弱い立場の労働者を、いくらでも「自己都合退職」に追い込めるのである。
このような制度の元でどれだけ多くの人が泣き寝入りしてきたか、私は多くの事例を見聞きしてきた。
私は、ごく最近になってハローワークに再支給に関しての問い合わせをした。
会社が今からでも退職理由の訂正の手続きを窓口に来てやってくれるのなら、雇用保険の支給し直しが可能です、とのことだった。
このような問い合わせをする人はよほど少ないらしく、ハローワークが上部組織である県の労働局に問い合わせて、数日かかってようやく回答が得られた。
難しい話をすれば、雇用保険の支給決定には2年という時効があるが、最後の支給が行われてから2年の間は、退職理由の訂正が行われれば、再決定と再支給が可能であるということだ。
しかし、あくまでも会社の人間がハローワークに来てその手で手続きをしないといけないので、これは裁判で勝って、そういう手続きを強制しない限り、無理である。
これを見ても、雇用保険の制度上でも、いかに会社が強く、労働者が弱いか、強く感じるとともに、憤りを感じる。
今回は、元々、退職届を提出後のイジメについて書くつもりだったが、ちょっと別の話になってしまいました。
次の回では、私のすぐ後ろの席から毎時毎分私を監視していた人事部長の陰湿なイジメについて書こうと思います。
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コメント

  1. オレンジ より:

    1. 無題
    私もハローワークに異議申し立てをしました。
    でも結局は「契約期間満了にしたほうが手続きがスムーズだから」という派遣会社の意見を信じてしまったようです。

    ハローワーク側でも詳細な調査をするなど、対策は取ったほうがいいんですよね。

    退職理由を書き換えるなんて。
    とんでもないと思います。
    これって文書を偽造しているっていうことになると思いますし。

    全部会社の都合のいいようにすることができるなんて絶対におかしいですよね。
    http://ameblo.jp/fightworks2013/

  2. パワハラに負けない より:

    2. Re:無題
    >オレンジさん
    会社の言いなりになって退職しても、ブラックな会社は、その約束を反故にしますよね。
    退職届を出す前に戦うのが一番いいのですが、追い詰められると、出さざるを得ない雰囲気になってしまいますよね。
    勤め先で変な予感がしたら、ぜひ公的機関等に相談した方がいいと思います。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  3. H☆S☆T より:

    3. ブログ読ませていただきました。
    はじめまして。
    今まさにパワハラを受けており、「私が全部悪いのかな?感情的になっているからパワハラと感じてしまうのかな?」と客観的判断材料を欲している時に、こちらのブログに、たどり着きました!
    いちおう一部上場企業のため社員から会社への通報機関(外部委託)は用意されており、本日匿名で客観的判断を仰いでみました。
    後日人事部より返事が来る予定ですが…。
    この判断でパワハラ該当とお返事をいただければ、正式に会社側に通報するつもりです。

    その際、「日記のような書きとめたものでも構わないから記録をとっておくといいです」とアドバイスをもらいましたが、録音すればいいんだ!と気づかせていただきました。

    同じ課の皆も相当疲弊してしまっておりますが、男性はイェスマンにならざるを得ず、なかなか声を上げるのは難しいようです。

    人格否定や、頭が悪いだの、成績を取り上げられたり、人事権を振りかざしたり…皆が日に日に怯え、上司に怯えるからこそ、課の仲間を陥れたり…とかなり悪循環となってしまいました。

    かなりの独裁者のような上司のため、奴隷のようになり、上司の言っていることは絶対!とマインドコントロールされてしまっていましたが…勇気を出して打開して見たいと思います!!

    勇気をいただきました、ありがとうございます!!
    引き続き、ブログチェックさせていただきます!(*^^*)
    http://ameblo.jp/happy2-smile2-thanks2/

  4. kk より:

    4. 勇気付られました!
    とても大変な思いをなさったのですね。体験を語ることが、同じ境遇の者に勇気を与えるということを知らされました。私は、次の就職など見つからないと思い、セクハラ強姦イジメなどを受けた会社に通い続けていて気が狂いそうです(笑。少し見つめ直す勇気が持てました。ありがとうございます。

  5. ycd38622 より:

    5. 続きを期待しています。
    特に、パワハラの被害を受けて、退職するまでの間、どのように会社内で過ごされたのか関心があります。

    続きを期待しています。
    http://ycd38622.blog.fc2.com/

  6. より:

    6. 無題
    私は主人が、即日解雇され『自己都合』と書かれていたので、抗議の電話をし『会社都合』に書き直してもらいました。社長いわく『本人の今後を考え自己都合にしてあげたのに!』と言われましたが、『即日解雇する人間に、中途半端な情けは結構です!』と言い切りました!主人には、『命取られた訳でない!また、二人で頑張ろう!』と言いました。もう10年ほどまえの話ですが、主人も今は全く畑違いの仕事ですが、イキイキと頑張っております。
    頑張って下さいね♪

  7. パワハラに負けない より:

    7. Re:勇気付られました!
    >kkさん
    パワハラの悲惨さを知らない人は、じゃあ転職したら、と気楽に言いますが、そんな服を着替えるように簡単にできることではないですね。
    ただ、あまりにも、この会社しかないんだと思い詰めると、逃げ道がなくなってしまうので、注意も必要かと思います。

    強姦って、ひどいですね。
    強姦の被害は顔見知りの犯行が多いと聞きますし、泣き寝入りするケースがほとんどだと聞きました。
    親告罪なので、勇気を持って、人権センターなどに相談するか、警察への届け出を検討してみてはいかがでしょうか。

    結局、上司は会社は、こちらが勇気を持ってアクションを起こさない限り、現状に満足して永久に変わりません。
    これは痛いほど見聞きした現実です。
    そうやって我慢しているうちに、自分が壊れていきます。

    もうすでに被害を受けているのであれば、職場の調和も信頼関係も崩壊しているのですから、遠慮は無用です。
    労働組合、労働局、警察、あらゆる手段を使って、職場を変える努力をしてほしいです。
    自分が退出するのではなく、上司を職場から退場させるのです。
    パワハラと戦うには、それ位の気持ちが必要だなと、よく思います。

    どうか、頑張ってくださいね。
    具体的な相談はメッセージなど頂ければ、いつでも乗りますので。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  8. パワハラに負けない より:

    8. Re:ブログ読ませていただきました。
    >H☆S☆Tさん
    外部に委託している会社の通報機関に連絡したとのこと。
    勇気ある行動をされましたね。
    パワハラに立ち向かうには、こうした一歩一歩の積み重ねが大切だと思います。

    上司がかなり独裁的な様子。
    皆さんの疲弊ぶりが目に見えるようです。
    パワハラの立証はなかなか難しいと言われていますが、ページ差し替えのできないノートに、毎日継続的に日記をつけて、上司の言動を記録しておけば、客観的な証拠として採用される可能性は高いと思います。
    怒鳴り声とか公開叱責は、録音があると雰囲気も証拠に取れてとても強いと思います。

    上司の評価次第で給与や昇進も決まり、人生も影響を受けるので、みんなイエスマンにならざるを得ないですよね。
    私もそうでした。
    でも、限度を超えてしまって、このままでは、私の人格や人生そのものを破壊されかねないと思ったとき、初めて行動する勇気を持てました。
    爆発するまで我慢するのではなく、少しずつ今回のように対策を打って行くのは、とても良いやり方だと思います。

    どうか良い方向に向かいますように。
    頑張ってください!
    応援しています。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  9. パワハラに負けない より:

    9. Re:続きを期待しています。
    >ycd38622さん
    思い出すと痛みを感じることもありますが、頑張って続きを書こうと思います。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  10. パワハラに負けない より:

    10. Re:無題
    >母さん
    毅然とした態度、とても素晴らしいです。
    こういう態度がパワハラには一番の対策になりますね。
    新しいフィールドで頑張られているとのこと。
    とても希望に感じます。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

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