親日的なヨーロッパ人への酷いパワハラ

パワハラ

今日は、ある読者から寄せられたパワハラ体験談を掲載させて頂きます。

彼女の姉のご主人さんは、日本の大学で学び、日本語が堪能な親日的なヨーロッパ人でしたが、東京の会社で勤務を始めた途端、無能なおやじ上司から非常に酷いパワハラを受けてしまいました。

この体験談を読んで感じたのは、パワハラとはまさに日本の恥だということでした。

今回は、この貴重な体験談を公開させて頂こうと思います。

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憧れだった東京勤務

うちの姉の主人のことを今日は書きたいと思います。

うちの姉夫婦は国際結婚し、姉の主人は日本企業に勤めていたために、5年の予定で日本に来ました。

姉の主人は語学が堪能で、母国語、英語、日本語は何の問題もなくできたこと、ある分野で博士号を取っており、業務に対する専門性が高いことが、上司の目に悪い意味でとまってしまったのです。

姉の主人は以前から日本、特に東京での勤務を希望していました。

やっと憧れ続けていた日本での駐在ができて、彼はとてもやる気に満ちて来日しました。

日本に溶け込むための努力

最初のうちは順調でした。

外国人なので、ある意味日本人よりも成果主義の中で、どんどん結果を出してアピールをしていかなければ取り残される、という気持ちがあり、また自分の赴任中に少しでも結果を残そうと努力は惜しみなくし、彼の専門性も活かしたアドバイスもしていきました。

会社が終わった後も飲みに誘われるとできる限りお付き合いしてカラオケに行ったり、なるべく日本のスタイルに早く溶け込めるようにと努力していました

(ちなみに会社が終わった後のプライベートな時間に同じ会社の人と飲み会する文化は欧米ではあまり一般的ではないです。プライベートが何より大切なので)

自主的に初めた英会話サークル

彼が配属されて最初に取り組んだことは、英会話サークルを立ち上げるということでした。

最初に来日して感じたことは、それなりにみんな文法力はあっても、会話力に乏しいことです。

彼が英語ができることもあって、彼に海外に関する仕事が振られる流れになっていき、このままでは自分も業務過多になるし、相手のためにもならないと思ったからでした。

はじめは同じ部署内の人に声をかけていき、有志で始めました。

仕事が終わったら週に一度、みんなでカフェに行ったり居酒屋に行ったりして英会話しようというラフな感じのものです。

そのうちにみんな楽しくなって、同じ会社の自分の知り合いも誘いながら、初めは4-5人で始めたサークルも、気づけば20人以上になっていき、彼一人では管理が難しくなってきたほどだったといいます。

妨害を初めた彼の上司

こんな感じで最初の半年ぐらいは楽しく過ごしていました。

それが面白くなかったのは言うまでもない、彼の直属の日本人の上司でした。

みんなに慕われている彼を横目で見ていて、心底面白くなかったんだと思います。

そのうちに、あからさまに彼の業務妨害をするようになってきたそうで、もちろん彼にだけは態度も冷たい態度。

嫌がらせというのは具体的には、姉の主人が企画したプロジェクトだけを難癖をつけて承認しないなどです。

事実、日本駐在中に成果を出せたプロジェクトは何もないそうです。

距離を置くようになった同僚たち

そのうちに姉主人と仲良くしてくれている同僚の方にまで嫌がらせが及び、上司に嫌われること、圧力をかけられることをみんな恐れ、上司がいなければ普通に話してくれるのに、いたら避けるようになって、だんだんと孤立していった姉の主人。

やはりみんな自分が可愛いのです。

出世がかかっているので当然かもしれませんが、それが外国人の姉の主人には理解しがたいことだったといいます。

自分が何が悪いの?

ビジネスに私情(好き嫌い)を持ち込むことがあり得るの?

彼の中ではこんな疑問が噴出してきます。

上司に直接、

「自分のどこが悪いか教えて欲しい。」

と聞いたこともあるそうですが、

「そんなことあなたに言う必要ないだろ?」

など、とてもまともに取り合ってもらえません。

机がない!

そんな時にある朝出社してみると…。

いつものオフィスですが、何かが足りません。

あれ?

自分の机がない…??

何故だか分からずに立ち尽くしている姉の主人。

気まずそうに仕事に集中するふりをする同僚たち。

そしてニヤニヤしているあの上司から

「あなたの机はここにはもうありません」

と言われたんだそうです。

雑用係に回され…

どういうことか納得いくわけがないので、上司に話を聞けば

「うちの課だけで君の人件費を負担するのは重荷だから、三分割にしたので今日から日替わりでここの仕事だけじゃなく、別の部署の手伝いにも行ってこい」

と言うそうです。

その日から彼は、根無し草のように色々な部署を転々とせざるを得なくなりました

しかも全て彼の専門性を活かせる部署ではなくて、することは雑用

本国法人からの救いの手

彼は、本国の法人に出張に行った時に社長に窮状を訴えると、それは完全におかしいだろうとなり、すぐに新しいポストを準備すると約束をしてもらったそうです。

そのあたりの動きが迅速なのはやはり海外の会社ならではで、今いる日本法人以外にはなるが、支社長のポストが空く予定だからそこに行って欲しいので、そのつもりにしていてと、数週間で社長から返事が来たそうです。

そして今、支社長の試験にも無事合格できて、東南アジアに駐在しています。

パワハラは日本の恥

あれだけ日本に憧れて、日本の為に働きたいとずっと思ってくれていた人なのに、そんな人にパワハラや嫌がらせをしたりするのは日本の恥ですね。

結局5年の予定の駐在期間が、3年に短縮されてしまいました。

私は姉と仲が良いので、せっかく日本に帰って来ていたのにまた海外赴任になり、とても寂しい気持ちです。

陰湿ないじめさえなければ、まだ日本に駐在していたはずなのに。

どこの国にもいじめはあるとは思いますが、このパワハラっていうのは日本の独特な恥ずかしい悪しき習慣です。

異常だと思ったからこそ彼の本国の上司は国外へ異動させたはずですから。

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