パワハラ上司からいやみの説教を受けながらようやく取得した午後半休。
私はその半休を使って、1次面接が決まった K 社に向かった。
転職の面接は人生で初めてという訳ではないが、やはりかなり緊張した。
開発部の部長という肩書きの人が私の面接を担当した。
技術的な質問がメインであり、ところどころ答えられない部分もあったが、そういう場合でも、勉強して頑張ります、みたいな積極的な受け答えをするように努力した。
その甲斐あってか、30分ほどの面接はなんとか手応えのある雰囲気の中で終わった。
翌日、エージェントから連絡があった。
「安達さん、1次面接は合格です。
おめでとうございます。」
とても嬉しかった。
ああ、パワハラ会社からおさらばできる方向に進んでいる。
そう思うことが一番嬉しかった。
だが、2次面接は3週間も後だと伝えられた。
よく分からないが、先方の K 社の都合だという。
もしかして、他にも応募者がたくさんいて、ふるいにかけられるのだろうか。
そんな不安が心をよぎった。
3週間、このパワハラ会社で耐えなければいけない。
そう思うことはつらかった。
一刻も早く、こんな会社を去りたい。
そういう思いでいっぱいだった。
毎朝のミーティングは、相変わらず苦痛に満ちたものだった。
課員の全員の前で、あれもできていない、これもできていない、リーダーとしてちゃんとやってるの?というパワハラ課長の冷徹な説教を受けるというつらさ。
正当な業務指導を装ってはいるが、陰湿な報復の意図が込められているであろうことは、私にははっきりと分かっていた。
そう、彼にとっては、私の社長への直訴が、一番、癪に障るとんでもない「反抗」行為だったのだ。
彼にとっては、文句一つ言わずに、従順に犬のようにすりよってきて、作り笑顔を見せる部下こそ、可愛いのだ。
そうでない部下には、徹底してパワハラをする、そんなことしかできない器の小さな人間なのだ。
しかし、2次面接への希望が、このパワハラ課長の説教を乗り越えるための、心の大きな支えになっていたのは確かだった。
「きっと合格して、転職を実現してみせる。
このパワハラじじい、今に見てろよ…」
そのように怒りをぐっとこらえながら、毎日の勤務をなんとかこなしていった。
それは、くじけそうになる自分の心との必死の闘いでもあった。
(続く)
コメント
1. ラストの2行
すごくよく分かります。
本当に毎日くじけそうな自分との闘いです。
毎回続きが気になります。
http://ameblo.jp/miyabi27xmas/
2. Re:ラストの2行
>miyabi27さん
コメントありがとうございます。
自分なりに,パワハラに負けない,何か心の支えとか,何か仕事上の喜びとか,そういうものを持って耐えないと,本当にくじけてしまいますよね。
一緒に頑張りましょう。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/