遅刻、居眠り…
最悪の状況で開催された客先での会議。
午前の会議が終わり、昼食の時間になった。
パワハラ上司は、部屋を借り切り、お客様が退出すると恐ろしい表情を私に向けた。
「お前、なんで遅刻したんだ。
重要な会議だと、あんなに言っておいただろう。」
その声には、今にも怒りを炸裂させそうな気持ちが込められているように直感的に感じた。
私は、緊張しながら、こう答えた。
「申し訳ございません、実は昨日、成田空港に着いたときから、すごく体調が悪くなってしまいまして…」
その言葉を言い終わるか終わらないかの瞬間だった。
上司は、今まで聞いたことがないような感じの怒りを込めた興奮したような感じで、私を睨みつけながらこう言った。
「てめえな、やる気があるのか?
あ?
おい、どうなんだんよ。
やる気があるのかって、聞いてるんだよ!」
私は、彼の怒りが炸裂したのを聞き、心臓の脈拍が急激に上昇するのを感じていた。
「あ、はい。
もちろん、頑張っております。」
上司は、とうとう全力で、息もつかせず、機関銃のように怒鳴りだした。
「おめえな、全然、やる気がねーんだよ。
自分でわかってないだろう?あ?
おめえは、どうせ子供の頃から、そういうウジウジした性格なんだろう。
どうせ、学校でもそんな感じでやってたから、友達とかにも馬鹿にされてたんじゃねーのか?
おめえな、そんなやり方、社会人として全然なってないよな。
はっきりいって、おめえは子供なんだよ。
ほんとにダメ人間だよな!
そんな人間なんか、うちの会社にはいらねーよ。」
私は、その怒鳴り声を聞きながら、この声を録音機に取っておきたいと、そういう考えが頭をよぎった。
だが、胸のポケットに入れたiPhoneのボイスメモを、この場で操作して録音するのは、当然無理だった。
上司の怒鳴り声は、その無人の会議室に響き渡った。
もう、何を言われたか、正直言って全部はよく覚えていない。
だが、子供の頃からそんな性格だからとダメなんだ、と責め立てられたことだけははっきりと覚えている。
それは、明らかな人格否定であった。
怒鳴り声をこの上司から少なからず受けてきた私であったが、さすがにそのような言い方には我慢ができないのを感じた。
その場では、上司に対しては何も反論とか、反抗はしなかった。
ただただ、はいはい、申し訳ありませんと答え、午後の会議も一生懸命参加し、会議が終わった後も一人で夜遅くまでパソコンで報告書を作って、社長と上司宛にメールで送った。
ただ、怒鳴られたせいもあり、その日は死にたくなるような出張の疲れ感がたまっていたが、まるで銃を突き付けられた囚人のように、上司の隣で必死になって報告書を作ったり、資料を調査したりという数時間を過ごした。
ようやくその日の仕事が終わったのは、午後9時であった。
客先の大きな会社のロビーの椅子に座ってノートパソコンでひたすら作業をしていたのだが、夜中になると寒くなり、手が凍えていた。
本当に惨めな気持ちだった。
そして、帰りの電車の中ではっきりとこう思うようになっていた。
「もう、この上司とは、やってられない。
もう、ダメだ、限界だ…」
あそこまでの人格否定を含む怒鳴り声を受けて、それを感受しながら仕事をやれ、というのは、いくら生活がそこにかかっているとはいえ、もう心理的には完全に限界を超えてしまっているのを、明確に感じていた。
そして、私は家に帰っても、恐ろしく体は疲れているのに、なかなか寝付けなかった。
お風呂に入っても、布団に入っても、上司の怒鳴り声が、ループ再生のように頭の中に鳴り響いていた。
そして、このことをもう一度、社長に相談しようと決意していた。
だが、次の日が、私に対して強烈な退職圧力をかける、地獄のような会議が実行される日になるとはその時は、想像だにしていなかった。
次の日が、人生で忘れようとしても忘れることができない、最も過酷で苦痛に満ちた、退職強要面談の日になるとは、想像すらできていなかった。
(続く)
コメント
1. ひどいです。
布団の中に入ってからも、
上司の怒鳴り声に悩まされるなんて
つらかったでしょう。
それほど上司の影が
ぬぐえなかったというのは、
やはり限界を心身ともに
感じていたのですね。
つらいことです。
でもこれ以上悪いことが、
次回に起きるんですよね。
見ているこちらも
胃が痛くなる話です…。
http://ameblo.jp/utunokaizen/
2. 無題
子供のころからだろって人格否定もいいとこですよ!酷過ぎる。
確かめたわけじゃあるまいしほんと嘘付きは大嫌いです。
私もクソ上司に勝手に友達がいないと決めつけて言われたことがフラッシュバックしました。友達いるのに。
人格否定を平気でする上司って増えてるんですかね。
http://ameblo.jp/orangeorange-orange
3. 無題
怖い。
どれくらいの人がこの気持ちを曇りなく理解してくれるでしょうね。
そういう経験と無縁な人はいないはずだけど、、、
その上司だってきっとあるはずなのに。
やり切れませんよ。
http://ameblo.jp/kisekihaokorukamo/
4. Re:ひどいです。
>3年間のうつ状態から立ち直った男@すずきさん
コメントありがとうございます。
こういう痛みを振り返ることはとてもつらいです。でも、自分の経験の公開を通して、今パワハラを受けている人に少しでも闘うための知識や勇気を与えらたらいいと思います。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
5. Re:無題
>オレンジ@パワハラ鬱と闘い中さん
いくら上司でも言っていいことと悪いことがありますよね。
職場では、部下は圧倒的に不利な立場なので、泣き寝入りしやすいですよね。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
6. Re:無題
>ポケポケさん
ひどい人格否定を受けたことは今まで数回あります。
こういう場面は、後々のことを考えて、必ず録音しておくべきだと思います。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
7. 無題
言葉の暴力で どれだけ人を傷つけ苦しめるか…
悲しくなってきます。
そんな上司と仕事なんてできるはずもないし恐怖でいっぱいだったと思います。
酷すぎる 胸が苦しくなります。
http://ameblo.jp/tamayup/
8. 無題
考えるだけでも恐ろしい光景ですね。
大声を出して人格否定をされることは
非常に大きなストレスを生みますよね。
怒鳴り声が頭から離れない状況は
本当に疲れますよね。
http://ameblo.jp/sasaeaitai365/
9. 基本的にバカばかりの世の中です
先ず頭に来るのは「なんで」と尋ねておきながら、その「なんで」を聴かない事です。これははなから聴く気がなく、自分の先入観から、価値観の圧し売りだからです。まるで自分が社会、或いは世界の基準法であるかの如くな、バカの一員から出る言動です。
「言い訳」に対して、適切なアドバイスや、叱咤激励をす可きであり、「なめてんのか…ヤル気がない」等と、言う必要はありません。
みな人民服を着て居る訳ではなく、血液型も、育った環境も、食べて来た物も、何もかも違う人生なのです。
それを想像力のない前頭葉で、推し量って人を査定する神様共は、猿山の域を出ません(だってそっくりでしょう?)
そもそも人間は完璧ではないので、その人が完璧を装える様に裏方をするのが、上司ではないでしょうか?
それが出来ない人生の先輩であるならば、単に年取っただけでしょ?
http://ameblo.jp/akatuki2730/
10. Re:無題
>まゆぴょんさん
コメントありがとうございます。
この上司と他の同僚の間にある壁の理由が明確になった日でもありました。いくら頭が良くても仕事ができても、こういう上司には私は尊敬を感じることができないです。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
11. Re:無題
>きっと明日は晴れさん
密室での怒鳴り声。
その瞬間も辛かったですが、時間が経つほど頭の中に繰り返し再生されて、苦しみが増して行くような感じがしました。こういう苦しみは数か月に渡って続く可能性もあるので、本当にひどい不法行為だと思います。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
12. Re:基本的にバカばかりの世の中です
>akatuki2730さん
長文のコメント、どうもありがとうございます。
人の上に立つ場合は、部下の能力ややる気を引き出して、チームとしての成果を出させるという別の能力が求められますよね。
一人では優秀だとしても、それができないなら、上の立場に立つべきではないと私は思いますが、世の中、なかなかそうではないですよね。
優秀な選手がイコール優秀な監督になれるか、と同じような話ですね。
こういうパワハラ上司は、結局誰も寄り付きたくなくなりますよね。
怒鳴り声を浴びせられて、私はもうこの上司に反発と恐怖しか感じなくなりました。
こういう時に弱いのは部下の方ですよね。
ついていけないなら辞めろと、ひどいことも言われました。
思い出すと、今でもその理不尽さに胸が震えます。
こういう会社には、合法的な復讐を考え、自分の尊敬を守ることが必要だなと思います。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
13. ひどい
ひどいひどい、ひどい(T_T)。
人格否定、私もしょっちゅうされてましたが、やっぱりそれってパワハラなんですね。ひどい。読んでると胸が痛くなりますが、続きが気になります(T_T)。
http://ameblo.jp/miyabi27xmas/
14. Re:ひどい
>miyabi27さん
コメントありがとうございます。しょっちゅうされているとのこと、とてもつらいことと思います。人格否定とか怒鳴り声とか、そういうものでしか人を動かせない上司は、最悪だと思います。負けないように一緒に頑張りましょう。応援しています。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
15. 初めまして
Twitterから来ました。うちの会社にいる上司と同じタイプです。
常に罵倒し、恐怖で押さえつけ、些細な事でも見つけて、ここぞとばかりに叩く。死ぬまで人をいたぶる悪魔です。
こんな上司は許されない。本当に辛いでしょうね。日々戦っている様子に胸を打たれました。
心から応援してます。必ず倒してください。自分も見習い頑張ろうと思います。
http://ameblo.jp/daniakira/
16. Re:初めまして
>ダニ アキラさん
アキラさんの会社にもそういう上司がいるんですね。こういう上司に変わることを期待してはいけないですね。唯一変わるきっかけがあるとしたら、その上司の上司から指導が入った時だけです。それ以外には、パワハラ上司に打撃を与える方法はないような気がします。
経営陣に訴えるなり、労働組合の力を借りるなどして、こちらが潰される前に手を打った方がいいと思います。
お互いに頑張りましょう。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
17. お久しぶりです。
コメントはしていませんでしたが、
記事は読ませていただいてます。
海外での強制労働キャンプ、
私なら1日も持ちませんよ。
そのキチガイ上司に筋だけは通して、
早々に帰国し、翌日には退職願を
会社に提出していたはずです。
高額待遇というのは、
こういうことが理由なわけですね。
ひどいものです。
だいたい、クライアント先の会議室で、
怒号が響くくらい怒鳴り散らすというのは、非常識ですね。
といっても、そのクライアントもブラック顧客なんでしょうし。。。
会社も会社なら、顧客も顧客。
悪の周りには悪しか集まらない典型ですね。
パワハラや強制労働に対し、
労働局や監督署へ相談し、職場環境を改善し、
強制労働を強いられた出張先での未払い賃金を支払ってもらったとしても、
一度壊れた心は簡単には元には戻らない。
謝ってもらっても許し難いですよね。
同等の苦しみを味あわせてやらないと
気が済まないですよね。
パワハラに負けないさんの出来事なのに、
自分のことのように怒りがおさまりません!
http://ameblo.jp/jouichirou14/
18. Re:お久しぶりです。
>丈一郎さん
コメントありがとうございます。
海外出張は上司と同じ部屋で土日も仕事して、本当に息をつく暇もなかったです。
帰国早々、お客様の会議室で怒鳴り飛ばされて、もう、限界でした。
確かに、ブラック顧客です。
話に聞くと、その顧客の会社でも怒鳴り声が飛び交う感じのようでした。
実は退職後1年以上立ってから労基署に相談し、未払い残業代は払ってもらいました。
でも、怒鳴られたり、退職を強要された恨みは、そう簡単にはなくならないですね。
実は、私が退職した後、この上司も悲惨な運命に合います。
それは、またブログに書かせて頂こうと思います。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
19. こんにちは
こいつ実名さらしてもいいくらいですね。
うちもこういう上司がいます。
今私は無視されてます。
私も録音して訴えようと模索中です(^^)
20. Re:こんにちは
>りんさん
ひどい上司に無視などのいじめを受けているとのこと。
どうか、心が折れてしまわないように、そしていつか合法的な復讐ができますようにとお祈りしています。
録音は唯一、口頭でのパワハラを証明する武器ですから、確保は大切です。
サービス残業の記録や、メールでの不当な叱責など、すべて保存しておきましょう。
応援しています。
一緒に頑張りましょう。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/