マネージャーのパワハラ的成果追求

長い失業で苦しんだ後、外資系IT企業に運良く転職した私。
だがそこでも、780万円という年俸と引き換えに、私は通算連続3社目となる激しいパワハラと成果追求に耐えなければならなかった。
入社直後、いきなりハードルの高い課題を与えられたのは前回も述べた通りである。
それはなんとかこなすことはできたが、それは2年間に及ぶ壮絶な「激しい成果追求」の序章に過ぎなかった。
毎週のワンオーワンと呼ばれる上司との面談では、これでもかという位、ダメだしを喰らい続けた。
「あなたね、これ位もできないの?
俺はね、現役エンジニアの時代、あなたの10倍は仕事が早かったよ。」

「これはね、あなたの為に、わざと易しい課題をやらせているんだよ。
そこのところ、ちゃんと認識してもらわないと、困るんだよね。」
反論の隙を与えない一方通行の話が、1時間も2時間もとうとうと続くのである。
それが週に一度、延々と繰り返される。
面談が行われる前の日には、眠れなかったり、悪い夢を見てうなされるということが何回もあった。
口答えしようものなら、説教はより攻撃的になり、決して止まらなくなる。
だから、ただ「はい、わかりました」とのみ発言しなければならない状況であった。
そんなきつい雰囲気の中でも、私は全力を尽くして仕事に邁進した。
深夜残業は当たり前、会社に泊まり込んでの2日連続勤務、土日の出勤も行いながら、必死に上司の要求に応えようとした。
月の勤務時間は250から300時間という状態だった。
ひと月の残業時間が100時間を超えると死んだ時に過労死と認められるという厚労省のガイドラインがあるが、まさしく私はそのような残業時間量になっていた。
ある時は突然、耳がよく聞こえなくなり、驚いて耳鼻科に行くと、ストレス性の突発性難聴ですね、と診断されたこともあった。
また、道を歩いていて、めまいのような感覚を覚えることも多くあった。
今から考えると、自分の人生のすべてをかけ、お金のため、家族のために、身体を犠牲にして、よく頑張っていたと思う。
半年、1年と、へとへとになりながらもそういう闘いを続けた。
おかげで初年は、アニュアル・レーティングも5点満点で3.0という及第点をもらうことができた。
後で知ったのだが、2.5以下は退職勧奨の対象、2.0以下は即時解雇の対象となるらしい。
それは、社内にまことしやかに流れていた噂に過ぎないが。
だが、究極の試練は入社2年目に訪れた。
アメリカ本社から急に日本支社の本部長に据え付けられたトーマス氏。
彼はさらなるコストカットと短期成果追求を掲げる悪魔であった。
ある日、私のマネージャーは本部長の部屋から出てくると、鬼のような形相をして、私を部屋に呼び付けた。
「安達君、ちょっと来てくれる?」
彼は私より6歳も年下の人間だったが、話す時は完全に上から目線で、タメ語を使っていた。
「あのね、これを昨日までやってと言ったのに、全然できてないってどういうこと?
俺を馬鹿にしてるつもり?」
こういう怒りモードは、月に1-2度炸裂するのだが、この時の怒声は、入社以来、最高に感情的な怒声であった。
私は、あなたが今週中にやれば言いと言ったではないかと主張したが、彼は聞く耳を持たないどころか、
「あなたは言い訳ばかりだね!
いつもそうやって言い訳ばかりして生きてきたんでしょ!」
切れて怒鳴りつけた。
おそらくマネージャーは、本部長から何らかのプッシュを受けて私を怒鳴ったのだろうなと思う。
結局、パワハラの黒幕は、このアメリカ人の本部長そのものであった。
私はこのミーティングが終わったあと、刹那にこう思った。
「ああ、もうだめだ。
これ以上は耐えられない。

新宿駅に飛び込もうか…」
毎日終電まで仕事をして朦朧となった頭で、私はそう考えた。
そして、トイレの便器に座ってうつぶした姿勢のまま、何時間も涙を流し続けた。
さすがにこれはまずいと本能的に思った私は、最後の切り札として、アメリカ出張中に親しくなった別のチームのマネージャーに相談することを決意した。
だが、それが、私がその後、地獄の責めような激しい退職勧奨の嵐、およびPIP(成果改善プラン)に追い込まれるきっかけになるとは、その時は思ってもみなかった。
(続く)
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コメント

  1. 岡田真一 より:

    1. 無題
    読んでて胸が痛かったです。死なないでくださいね。

  2. パワハラに負けない より:

    2. Re:無題
    >岡田真一さん
    ありがとうございます。
    死なずに頑張ろうと思います。
    パワハラに苦しんでいる方、ぜひ頑張ってほしいです。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  3. 事務員 より:

    3. こんにちは
    いまはどうしていらっしゃるのでしょうか。
    心身ともに健康でありますように。

    こちらは、とうとう社長から私の仕事のマニュアルを作るようにと言われました。

    いよいよクビの準備に入ったようです。
    少し調べたら弁護士費用も高く、結局泣き寝入りしかないのでしょうかね。

    今まであったことを文書にして社内外、家族に配ったら何か罪に問われるのでしょうか。

    8人ほど殴りたい人がいるのですがそれは現実的ではないのでね。

  4. パワハラに負けない より:

    4. Re:こんにちは
    >事務員さん
    クビに対する訴訟は、たとえば退職の強要があったとか、明確な法律違反があるなら勝てるでしょう。
    労働審判を使って本人裁判で戦えば、訴訟費用も1万円程度です。

    殴りたいとか、不正を暴きたいとか、気持ちはよく分かります。
    労働組合を使って戦うなら、合法的です。

    いずれにせよ、悪なる経営者と戦うには、絶対に負けたくないという強い気持ちが必要です。
    その気持ちを忘れなければ、必ず道は開けると思います。

    頑張りましょう。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  5. 事務員 より:

    5. Re:Re:こんにちは
    >パワハラに負けないさん
    遅くなりすみません。
    丁寧な返信に驚き感謝しています。
    否定されて怒られると思っていました。

    ありがとうございます
    いろいろ検討してみます。

  6. バカ上司につける薬はない より:

    6. ありがとうございます。
    パワハラと長時間残業で心身共に疲れていたときに、ブログを拝見しました。
    パワハラ上司にやられ、うつ病になってしまいました。
    でも、皆さんの方が何倍もご苦労されているようで、
    何とか気持ちを切り替えて乗り切りたいと思います。
    退職まであと20年以上とか逃げることばかり考えています。

  7. パワハラに負けない より:

    7. Re:ありがとうございます。
    >バカ上司につける薬はないさん
    あと、20年逃げ続ける…
    それは、かなりつらいことだと思います。

    できれば、戦ってほしいです。
    自分をうつ病に追い込んだ上司は、重大な責任を自覚すべきですから。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

  8. 青木 より:

    8. 無題
    初めまして。
    パワハラで検索してたどり着きました。
    私も今まさにこのPIPを日次で行なっています。
    自身のスキル不足もありますが、何より上司の執拗な追及に頭を悩ませる日々です。

    ですが、このブログを読んで何とか戦う勇気を貰いました。在職1年足らずですが、既に転職活動も開始しました。今後、更新を楽しみにしています。

  9. パワハラに負けない より:

    9. Re:無題
    >青木さん
    PIP、どうか生き延びてくださいね。
    100%完全な労働者なんていないのです。
    批判を重ねる上司には、心の中で負けないようにしましょう。
    どうか、自分に自信を持って、戦いましょう。
    新しい仕事も見つけられるように祈っています。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

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