前回の記事では、PIP (Performance Improvement Plan) 第2週目のレビュー会議で、お情けのような言葉でアプルーブ (OK) をもらい、即時解雇は免れたことを話させて頂いた。
そしてマネージャーは、PIPの元々の予定期間である第4週までの作業結果を見て、最終判断を下すという宣告をした。
そのようにして、第3週は始まった。
始まったPIP第3週
だが、かろうじて生き延びる道が与えられたにも関わらず、私の心の中は、諦めと自暴自棄と絶望の気持ちでいっぱいになっていた。
なぜなら、1週目で終わるはずだったプログラムの設計作業が2週間かかり、実際のコーディング(実装)作業はまだ5%も終わっていなかったからである。
元々のPIPの計画(と言っても、上から有無を言わさず受け入れさせられた無理のある計画だったが)では、今頃はコーディングも50%が終わり、4週目にはテスト(動作検証)やら他の同僚によるコードレビューやらをやらなければいけないことになっていた。
だが、今の状況ではそれは天地がひっくり返るような奇跡が起きない限りは到底不可能な状況であった。
PIP中の私の気持ちの変遷
私の気持ちはPIP中に以下のように変遷していった。
- 1週目は恐怖と緊張と少しの期待感
- 2週目は絶望感と自暴自棄の思い
- 3週目は無力感と諦めの思い
- 4週目は何も感じなくなるとともに、PIP後の人生への不安感
が吹き出してきた。
実際、3週目の金曜日のレビュー会議は、マネージャーにも他のレビュアーにも完全にやる気が感じられなかった。
それまでは、お前の弱点を徹底的に暴き出してやるとハイエナのような目をしていたのに、もう今は、私を見下ろす死んだ魚のような目しかしていなかった。
第3週目のレビュー会議
なぜなら、その時点で私のコーディングは何と全体の15%程度しか終わっていなかったからである。
そのペースでいけば、おそらくあと3か月はかかるような状況だった。
誰の目にも、このPIPの課題は不達成になるのは明らかだった。
そもそも、このPIPの課題設定には明らかに無理があり、わずか2週間でコーディングを終わらせるなんてとてもできない相談だった。
それでも私は、最後の死力を尽くし、ほぼ毎日、終電近くまで作業を進めた。
何も感じなくなった第4週目
だが、ある意味心が完全に不感症になって恐怖も感じなくなった私は、4週目に突入し、そしてあっという間に4週目の金曜日のレビュー会議を迎えた。
この会議では、とうとう私の死刑宣告がなされるはずだと私は覚悟を決めていた。
だから、しっかりと私は内ポケットにレコーダーを忍ばせて会議に参加した。
そしてそこでは、私の人生にとっても前代未聞の大変なことが起きた。
そしてそれは、レコーダーにしっかりと証拠に残され、私のその後の行く先を大きく左右することになった。
(続く)
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