K社の転職の内定を勝ち取った私は、今いるパワハラ会社に退職届を突きつけるための準備を始めた。
それは、パワハラ課長にどうやって復讐しようかという計画を練ることでもあった。
同僚とランチに行ったときのことだ。
彼は、昔いた会社で陰湿ないじめを受けた時の話をしてくれた。
「倉庫の中で先輩社員達に囲まれて言われたよ。
お前は仕事がなってないとか、態度がでかすぎるとか、あれもやれこれもやれとか、いろいろ。」
お店に来るお客様の前では元気に振舞っていても、店の裏側は壮絶な苦しみの空間であったという。
「俺も頑張ったよ、何年も。
でも、やっぱり限界が来ちゃったんだ…」
彼は、いじめをやめるよう会社のトップに内容証明郵便を送り付けたという。
「それで、ぱったりいじめはなくなったよ。」
内容証明郵便は、相当な効果があったらしい。
でも、彼は会社に居づらくなり、ほどなく退職届を提出したという。
私はその話を聞いて、明るそうに振舞っている今の姿からはうかがい知ることのできない、彼のつらい過去に思いを巡らせた。
「内容証明郵便を出さなければいけないほど追い詰められたなんて、
どんなにか苦しかったことだろう…」
だが、その話は、私に退職前にやるべきことのヒントを与えてくれた。
「そうだ、俺もそれをやってみよう。
あの課長のパワハラを、内容証明郵便で告発してやろう。」
私は早速、家のパソコンで内容証明郵便の出し方を調べた。
手書きで出す場合は、一行の文字数や一ページの行数が決まっていて、それを郵便局に持っていって出さなければいけなかった。
しかし、電子手続きを使えば、Word などで作成した文章をそのまま、家のパソコンからクレジット決済で送れることが分かった。
しかも、Word 文章であれば、一ページに詰められる文字数は大幅に増やすことができるらしい。
これなら、心行くまで思いの丈を書ける、とそう思った。
内容証明郵便の例文は、ネット上を探せばいくらでもあった。
だが、パワハラの訴えを会社のトップにするような文章は見つからなかったため、自分で試行錯誤しながら作り上げた。
たぶん、土日も含めて3日間位は、その内容証明の文章を書いたり直したりすることで、頭の中がいっぱいだったと思う。
また、退職届をいつ出すかということにも神経を使った。
一か月前に出さなければいけないというルールに則れば、明日にでも出さなければならなかった。
だが、内容証明郵便が会社に到着するのと同じ日に、退職届を上司に突き付けたいと思っていた。
だから、退職する月の4日に、その月いっぱいで辞めるという内容の退職届を出そうと計画した。
一か月前に出せという社内ルールを破ってしまうが、もし突っ込まれたら、
「法律上は2週間前に出せばいいんですよね?」
と逆に突っ込む覚悟でいた。
日曜日、とうとう私は、パソコンから内容証明郵便を出した。
料金は4,000円近くもかかった。
だが、この4,000円で、パワハラ上司の会社人生を暗黒に突き落とすことができると考えれば、決して高いという値段ではなかった。
内容証明郵便は、翌月曜日には、社長に届けられるはずであった。
(続く)
—-
内容証明郵便を出すのは、とても勇気がいりました。
やはり、これを出すということは、会社と全面対決も辞さないという意味であり、その会社にはもういることはできないという覚悟も必要になります。
もちろん、内容証明郵便を出しても、その会社に勤め続けられるという神経の太い方もいるかもしれません。
だけど、たぶん100人中95人の人は、会社を敵に回して、その中で働き続けるということは、苦し過ぎてできないことでしょう。
私も、退職届を出すことと引き換えに、ようやくこのような反撃行為に出ることができました。
それは、清水の舞台から飛び降りるかのような感覚でした。
でも、私は、適切な知識武装と、経験者による力強いサポートがあれば、会社を辞めなくても会社と戦うことは可能だと信じています。
お金をもらっている立場だから、個人対組織という弱い立場だから、といって、いつも不合理な会社や上司の要求や言動に振り回されて、泣き寝入りばかりするような生き方は必要ないのではないかと、思っています。
私は、そういう悩みを抱えている方の、味方になれるように、これからもブログで情報の発信を続けるつもりです。
もし、今、苦しくてたまらないという方がいたら、いつでもメッセージをください。
自分の心の奥底にためこんだ苦痛をすべて吐き出してしまいたいという方がいたら、いつでもメッセージをください。
僕は、そういう貴方が自分を取り戻して、知恵と勇気を持って新しい人生への一歩を踏み出すことができるように、いつでも貴方のそばにいて、貴方を応援するつもりです。
コメント
1. 無題
ブログを拝見させて頂きコメントさせて頂きました。毎回楽しみにしています。私は、現在職場でパワハラを受けています。具体的には、交通事故など一度も起こしたことがないのに、犯人扱いにされたり、他の社員と明らかな差別をされたり、当然、全社員の前で罵倒されることもしばしばあります。パワハラに負けないさんのおっしゃるとおり「お金をもらっている立場だから」「個人対組織という弱い立場だから」と泣き寝入りばかりするような生き方は必要ないと思います。私もパワハラと闘っていきたいと思います。
http://ameblo.jp/pawahara7/
2. Re:無題
>kurosanさん
コメントありがとうございます。
犯人扱いされるとか、差別されるとか、まさしくいじめですね。
皆の前での罵倒など、許されないようなことです。
こういう上司は、人格的に未熟で、自分が受けているストレスを部下にぶつけることで、憂さ晴らしをしているのでしょう。
部下にとっては死活問題になり得るので、たまったものではありません。
私のアドバイスとしては、iPhoneとかの録音機能を使って、上司の罵倒や、いじめの発言を録音しておいたらいいと思います。
こういう証拠は今すぐには使えないとしても、退職や解雇のトラブルになった時に、唯一、自分を守ってくれる強力な証拠になります。
メールとかできついことを言われた文面があれば、消さずに必ず保存しておきましょう。
後は、毎日の出退勤の時刻は、自分のメモ帳にボールペンで1分単位で書くなりして、正確に保存しておくと、残業代請求の際の強力な証拠になります。
こういう上司は、人事異動にでもならない限り、たぶんやり方は変わらないと思うので、何かあった時はしっかりと反撃できるような証拠を揃えておくに限ります。
そうやって、いつか見ていろという気概をもって、精神的につぶされないように、自分を守り抜いていけるように頑張りましょう。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
3. 無題
お疲れ様です。
内容証明郵便 重みがありますよね…
私も我慢我慢の日々でしたから(>_<)
嫌なパワハラ課長は、既に気分の悪い顔で 店舗の巡回に来ては 店内を なめる様に見て私への文句の材料を探す!!!
呼びつけては どうのこうの…(>_<)
しまいには『店長がそんなんで、スタッフがついてくるわけない!!!』
『ねぇ???聞いてんの???』
↑↑↑
嫌でも聞こえてくるわい!
人には接客のノウハウなぞ語るくせにアンタは毎度眉間にシワを寄せ、ふてぶてしい態度!もう一度 勉強し直せ!
…と言いたかったです(笑)
パワハラに負けないさんのブログで 自分だけじゃないんだな、 一人じゃないんだなって思えました。
ありがとうございます。
http://ameblo.jp/tamayup/
4. Re:無題
>まゆぴょんさん
コメントありがとうございます。
責任者を責める材料を探すやり方で、本当に店舗がよくなったり、成果が上がるというのはあり得ないと思います。
あら探しをするだけだと、減点されるのが怖いという気持ちに陥って、萎縮してしまうだけだと思います。
そんなところからは、自発的にお店を良くしていこうとか、スタッフと一緒にいい雰囲気を作り上げて、お客様を喜ばせて、お店の売り上げアップにつなげようとか、そういう創造的な発想がなくなってしまいますよね。
そういう、人間の能力ややる気を引き出したりするための本当のやり方を知らないなら、課長なんかの立場にいる資格はないですよね。
こういう理不尽な上司に当たったら、自分を守るだけで精一杯になります。
いつか反撃の日が来るという希望を胸に秘めながら、証拠を集めて、耐えるしかないかなとも思います。
http://ameblo.jp/anti-pawahara/
5. 無題
初めまして。
今、まさに内容証明を送りたいと思っている者です。
某大企業で契約社員として働き始めて数ヶ月
直属の上司の陰険、陰湿、幼稚なイジメにあっていましたが
仕事が出来ない、社風に合わないなどの理由で契約切りまで発展
それらも全くの言いがかり、濡れ衣がほとんどで
用は上司の気に障る、気に入らないのが理由
上司に直接ではなく人事宛、上司行きに内容証明を送り彼のパワハラの実態を会社に知って欲しいと思っています。
個人名で送るより第三者を挟んだ方が…と思い、行政書士に依頼を考えています。
賠償も謝罪もいりません
ただ、上司を会社から抹殺したい。
暗黒の闇に突き落としたい。