明日はきっとうまく行く。
そういう希望に燃えてその晩は休んだはずだった。
だが、私の心は、そんな理性の思いとは裏腹に、深刻な恐怖心に蝕まれていた。
次の日、私は、不安な気持ちを抱えながらも、ご飯を食べ、スーツを着て、玄関で靴を履いた。
そして、ドアに手をかけようとした、その時である。
体が動かなくなった。
「会社が怖い。
上司に怒鳴られるのが怖い…」
私の恐怖は、再び、心の奥底から奔流となって溢れ出して来た。
それは、理性の「行きたい」という思いを覆い尽くし、完全に私を支配してしまった。
「ああ、行けない…」
私は、再び玄関に座り込んでしまった。
妻は励ましの言葉をかけてくれたと思うが、記憶には残っていない。
私は数十分、そうしてうつむいたまま座り続けた。
でも、もう、完全に、今から出社しても、遅刻の時間になっていた。
だから、もう諦めざるを得なかった。
こうして、2日目も、休んでしまった。
重い気持ちでリビングに戻ると、「体調不良のため、お休みします」と上司にメールを打った。
そのメールへの返信はなかった。
私は、寝室に戻り、布団に潜り込んだ。
(続く)
コメント
1. 訪問させて頂きました!
はじめまして、金子です!文章を読ませて頂きました!ブログって楽しいですよね!さまざまな人の意見が書かれているのでいつも勉強になります。23~28歳の男性向けのブログを書いていますのでよかったら訪問して頂ければ嬉しいです!
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