前回の記事では、PIPに不合格となって社員証を取り上げられた後、2回に渡る団体交渉を通して、解雇予告の撤回を勝ち取り、職場への復帰が決まったことをお話した。
今日はその続きである。
退職済み扱いされていた私
私のように
「PIPで不合格になって退職しなかった」
という事例は、おそらくこの会社にはそれまでなかったのだと思う。
復職第1日目に、チームリーダーに挨拶に行った時のそのリーダーの顔に浮かんだ驚きの表情を、私は今も忘れることはできない。
「あれ、安達さん、会社辞めたんじゃなかったの?」
その言葉が、私は「退職済み」扱いになっていたという社内の状況を顕著に物語っていた。
会社側の嘘の言い訳
やはり
「私が勝手に解雇されると誤解して団体交渉を起こした」
とか
「解雇も何も、あなたが勝手に休みを取っていただけです」
という会社側の主張は、完全な嘘であることがここでも露呈したのである。
社員証を取り上げ、会社メールへのアクセスもすべて遮断した状態で、「自主的に休みを取った」という会社側の主張は完全に無理があった。
出社できない状態の私は、2回に渡る労働交渉の上、事実上の解雇撤回を勝ち取ったというのが真実であった。
チームの人々の驚きの表情
私の席は、雑然とパソコンや書籍が置かれ、まるで撤去した席を急に取り繕って戻したかのようなひどい状態になっていた。
チームの同僚たちも、私の顔を見て驚きの顔を浮かべていたことを、私は今でも忘れることはできない。
そう、社内では私は完全に退職扱いの人間になっていたからである。
アカウントもすべて停止されていた
しかも、パソコンを開いて数ヶ月ぶりに、開発作業のためのソースコード管理システムにログインしようとした時に、私は驚きのあまり呆気にとられる状況に遭遇した。
なんと、私のアカウントは一時停止どころではなく、完全に削除されていたのである。
通常、退職した社員のアカウント名はそのまま残されていることが多いが、これを削除したことによって、私がコミット(書いた)ソースコードには、「削除済アカウントによる編集」という、見たことのない著作者表示がされるようになっていたのである。
PIPの成果物も全削除
さらに、私がPIP(Performance Improvement Plan)という名の退職強要プログラムに参加させられていた時に、命を懸けて必死の思いで書いたソースコードは、Draft(一時)フォルダに保存していたはずだったが、全部、削除されていたことも判明した。
つまり、PIPで作った成果物は会社にとっては無価値なものであり、会社にとってはどうでもいい業務であることが、ここで明確になった。
PIPの課題は、4週間ではできないような膨大な量であり、それはできないことを口実に退職に追い込むための無意味な内容であったことが、明確になったのである。
そして、復職したその日の夕方、私はチームリーダーとの面談に臨んだのだが、そこで驚きの発言を聞くこととなった。
(続く)
コメント
初めまして。私自身もPIPを受け、ネット検索でこちらにたどり着いてからずっと応援しております。
一ヶ月に一度ペースで覗いていたのですが、復帰されたのですね!
本当にお疲れ様です。続きが気になります。お待ちしております。
応援どうもありがとうございます。
これからも体験談を綴っていきたいと思います!
どうかパワハラに負けずに共に頑張りましょう。