社長のパワハラに対する認識

(続き)

内容証明郵便について、社長室に呼び出された私。
社長は、長い「訴訟」の前置きの後、とうとう本題に入ってきた。

「それでね、君が大石君(パワハラ課長のこと)について書いていたことだけどね。
ま、あらかた事情は知っているよ。

彼はね、あれは一種の病気みたいなものだよ。
昔から、怒鳴り声を張り上げるところがあってね。」

ああ、この内容を録音しておけばよかった、と退社後に思ったが、後の祭りであった。

「まあ、昔はみんなあんな風に教育を受けたものだよ。
上司から怒鳴られて育つというのが、私が入社した頃は、当たり前だったよ。

でもね、時代は変わったよな。
今は、それがパワハラだなんて言われるんだから。」

私は、そんな言葉を聞きながら、社長は意外と分かっているじゃん、と思った。
その通り、昔のやり方を今の時代でもやるのは、問題だと分かっているじゃん、と思った。

またしても、この発言を録音しておけば、どんなにか役に立っただろうと後悔した。

実際、私の親の世代は、日本の高度成長期に会社勤めをしていた。
きっと、今で言うところのパワハラなど日常茶飯事だったに違いない。

だけど、それでみんなやっていった時代だった。
いけいけどんどんで、やればやるだけ成長して儲かって、給料も毎年上がっていったのだから。

でも、今の時代は違う。
頑張ったって、会社が大きくなっていく保証なんてないし、給料が上がっていくなんてことも約束されていない。

みんな、雇用と給料の維持に必死になってしがみついているのに、そこに短期的な成果を求める怒鳴り声。
まさしく、これは現代の病なのだ。

だが、パワハラでうつ病になってしまったり、退職を余儀なくされて家を失ったり、家族が離ればなれになったり、最悪の場合、社会に戻れなくなってしまう人もいる。

これは、深刻な人権侵害なのだ。
これは、労働者の人生を破壊する、とんでもない違法行為なのだ。

社長は、その後、私が以前受けた降格処分について、語り始めた。

(続く)

コメント

  1. ユリア より:

    1. 初めまして。
    読者になって下さってありがとうございます。(笑)
    http://ameblo.jp/yulia-jiji/

  2. パワハラに負けない より:

    2. Re:初めまして。
    >ユリアさん
    こちらこそどうぞよろしくお願いします。
    http://ameblo.jp/anti-pawahara/

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